物語

お話の話。
自己承認。
いい年をして何でもない主人公が特別な力を得て認められて世界を救うなんて話に浸るなよって、そういう論調があるけれど。
いまいち釈然としない。
そういうことを言う人は自分は自己承認を得ていながら他を批判しているように見えるからだろう。
そういうことを言えるのが大人。子供に説教できれば大人。


特別な力を捨てて最後に大人になるって話なら受け入れられる。成長するために子供時代に与えられるおやつとしての物語。
特別な力はやっぱりいらなかったんだ。
だったら最初からそんな話が始まる必要が無かった。最初から主人公もいらなかった。お話にする必要が無かった。
最後にやっぱりいらなかったなんて結論出すならそれまでの冒険は何だったのか。
そんな話で自己承認になりようがない。
だからいつまでも新しい物語を探して浸る。オタクと呼ばれようと。


効きが良くない。自分に食べさせようとする大人が差し出すものの嫌らしさ。
それでもいつまでも子供ではいられないなら、これまでの大人とは違う変化の形があるんじゃないだろうか。


何もかも特別な力。魔法でなくたって超能力でなくたって。
そしてそんな力でも出来ないことがある。何故かやってはならないことがある。
物語はそっちをテーマにして描くようになってきたんじゃないかな。


認められていようとそうでなかろうと。
自分が力を持っていることに気付くまでのお話。気付いてからの話。