独裁者の教養

安田峰俊著「独裁者の教養」星海社新書
講談社現代新書みたいな装丁だなと思ったら中身は太田出版みたいな。
外側は優等生で中身はむにゃむにゃ。独裁者ってそういう人だったみたいだな。


カダフィのこともあり独裁者は現代的なテーマ。
しかしその独裁下に暮らした経験がないと分からない。日本から出て独裁下へ。しかし独裁の目の届かない所に出なければ語れない。
物書きは中の人にとっても外の人にとっても裏切り者。


独裁ってもう悪いことの代名詞みたいになっている。
でも独裁者には独裁者を望む人が回りにいる。望まない人は共通の敵。敵とみなされると殺される。
その内に殺したい人を敵にする。敵にされた人はもう独裁を望まない。


独裁者に決めて欲しい人がいる。面倒なことを独裁者にやらせている。人の分までやる気ありすぎ。
独裁者がいらなくなるまでやらせて捨てる。敵が消えるまで。


日本だとやらされるといずれ大変なことになることをみんな知っているんじゃないかな。独裁者の末路。
だから何となく空気に従う。空気のせいにする。空気にやらせる。


空気の中にいても外に出ても語りだしたら裏切り者。共通の敵にされる。どうしようかな。
いつのまにか一人なのに独裁者。皆が敵。
これからは独裁者だからって敵を殺さないで済まさないと。一人なんだからこっちが先に捨てられる。殺される。
外側は優等生。中身はむにゃむにゃ。