村上隆

この人については大日本人がハリウッドでリメイクと聞いたときの気分が近い。
けなしていた人が大日本人を褒めなおしたり、海外の評価で左右されるのもどうかと思う。そんな気分。
小説や映画や音楽を今さらアートとは言わない。
印刷技術が文学を、映像技術が絵画を、録音技術が音楽を複製可能にした。あらゆる人が芸術に触れられる。安くどこででも。
アートはその枠組みに入らないもののことになった。複製されにくいもの。
大きさとか体感とか体験とか質感とか一点ものの価値を求める。
オタクと相性が良くない。映像や音楽を浴びて育つのがオタク。村上隆はそこで培われたものを、一点ものの価値へ引き戻す。逆流。
反感の原因はこのあたりかな。
一点ものに価値はあるのか。原画に価値があるのは、無限に流通するコピーにも価値があるから。原画だったら価値があるというなら全ての落書きに価値があるはず。
アートは流通とは相性が悪い。一点ものを体験するには、展覧会へ行こうということか。それもアートに屈したようで反感よびそう。
打ちのめすか打ちのめされるか勝負だと挑発するぐらいがいいのかもしれない。
複製し流通させてみろと。